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丹野まさよしとがんばり隊

丹野まさよしとがんばり隊

法務局廃止後の跡地を活用すべき

平成22年12月議会一般質問原稿

1)「仙台法務局名取出張所の廃止に伴う、跡地や施設の活用について」

14番、丹野政喜でございます。ただいま、議長のお許しをいただきましたので通告に従い、一般質問を行います。

はじめに、「仙台法務局名取出張所の廃止に伴う、跡地や施設の活用について」であります。
 国は、平成16年の閣議決定「今後の行政改革の方針」において、「法務局・地方法務局の支所・出張所の統廃合推進による定員の合理化を進める」こととし、その結果、昭和30年当時に、全国で2,085庁あった登記所が、平成19年では536庁に整理統合されました。

名取出張所については、現在建設中の仙台法務局が 平成23年2月に完成するのを待って、仙台法務局に整理統合し、廃止されると伺がっております。名取市では今回の出張所廃止をどのように捉えているのか。これまでの経過と市の考えをお伺いいたします。

市長:今年4月下旬に仙台法務局の調査官が来訪し、今回の仙台法務局と名取出張所との統合について説明を受けるとともに、その件についてご理解を賜りたいとのお話がありました。
 その時点におきましては、市として「統合について反対」と強く意思表示をさせていただきましたが、その後、名取出張所の管轄範囲である岩沼市、亘理町、山元町がそれぞれ「統合についてはやむなし」との意思表示を行ったところであります。
 そういった状況や、法務局から「住民サービスを低下させない努力も行う」との説明があったことから、本市においても不本意ながら「統合についてはやむを得ない」という判断をしたところでございます。

丹野:「不本意ながら受け入れる」と、なぜなら管轄する2市2町のうち、名取市を除く1市2町が「止む無し」という判断だからというご説明です。
 国は、整理統合の基準として1)年間の取扱件数が15,000件未満であることと、2)統合される受け入れ局までの所要時間が概ね30分以内であるとしています。名取出張所は、これに該当したということだろうと思いますが、年間の取扱件数はどれくらいあると説明を受けたのか。また、出張所の廃止が全国で進んでいますが、「市民生活や地域経済活動に影響を及ぼす」として、各地で存続を求める運動や利用者の不便解消を図るための新たな代替え機能を求める要望運動が展開されているようです。
名取出張所の廃止に関してそのような動きがあったのか、市として捉えているのかどうか重ねて伺います。

市長:具体的なご質問ですので、担当課をして答弁いたさせます。
総務課長:出張所の取扱件数は、50,000件と聞いています。代替え機能といいますか、これまでのサービス低下をきたさない方策ということでは、法務局側からの提案として、「証明書の自動発行機について、一定の条件を満たしているので、設置の要望があれば考えたい」ということです。市としては、設置のできる場所等について、検討を進めているところです。

丹野:50,000件というのは相当の利用ですね。自動発行機設置の基準は、満たしているということですので、利用者の不便にならないように対応をお願いしたいと思います。
 年間50,000件の利用があったということは、今回の統合廃止によって50,000人の交流人口が無くなることであり、その分、まちの魅力が欠けてしまうということになろうかと思います。
 
今回の廃止は、「受け入れざるを得ない」という結論のようでありますから、これからそのことをプラスに転換させていく考えを持つべきです。
 そこで、次の質問に入りますが、

名取出張所は、名取市文化会館の敷地の一角にあり、ここを取得すれば相互に補完しあい、有効に活用できると考えられます。
また、国においては平成22年6月、「新成長戦略における国有財産の有効活用について」を発表しましたが、そのなかで国有財産行政について、地域連携、財産貢献を柱とした新たな展開を模索しています。これらのことから、名取出張所の跡地や施設の活用について、国に積極的に働き掛けるべきと考えますが、今後の取組みについて市長お考えをお伺いします。

市長:今回仙台法務局本局と統合することになった名取出張所は、ロケーション的に非常に恵まれていると考えておりますが、あの施設や土地が市のどういった部分に活用できるかなど、具体的な検討は現在まで行っていません。
 議員ご指摘の「新成長戦略における国有財産の有効活用について」の中では、未利用国有地の管理処分方式の多様化として、売却に加えて、定期借地権を利用した新規の貸し付けや交換なども国が選択できるようになっていることや、地域との連携強化として自治体への早期、積極的な情報提供が行われることなどが書かれております。
 特に、地方公共団体が土地の活用を検討するには相当の期間を要することから、国としての土地の管理処分方針を決定する為の手続きを開始する前の段階の相当早い段階から情報提供が行われることから、市としては、他の地元業者に後れを取らない段階で、名取出張所の機能性や必要性を十分検討し、早い段階で市としての方針を決定する必要があるものと考えております。
 今後の取得の手法についても具体的に検討するとともに、条件等に折り合いがつくよう積極的に国に働きかけを行いたいと考えております。

丹野:市長のほうから、「まだ、具体的な検討はしていないけれど、今後(交渉を)詰めていきたい」という話でありました。
 いま、市長からご説明がありましたが、私は新成長戦略における国有財産の有効活用について、国として前向きな取組みをしているなと評価しています。
 これならば名取市としても取り組めるのではないだろうかと考え、一般質問で取り上げた訳であります。
 特に、私が注目しているのは、平成22年9月に「定期借地権を利用して、世田谷区で保育所用地の貸付が行われた」という報道と、10月に「待機児童の解消を図るために、国家公務員宿舎の空きスペースを活用して、保育ママ(家庭的保育事業)を文京区で展開することになった」という報道です。
 これまで、原則売却優先だった国の管理処分方式が、地域や社会のニーズに対応して、売却だけでなく、定期借地権を利用した貸付を行う。それに伴い、管理処分の見直しを積極的に行うとした点です。
 国も時代の潮流に沿って、そうせざるを得なかったのでしょうが、私は地域にとって、大きなチャンスであると考えています。そういった意味では、是非とも具体的な検討をなさるべきだと思いますけれども、いつまでにその検討をまとめ、法務局に当たるつもりなのか伺います。

市長:具体的に、跡地利用について明確な方針を立てているわけではありません。ただ、周辺を文化会館が取り囲んでいる場所ですので、いずれ将来の一体的運用ということを考えれば、用地を取得することも含めて国との交渉を総合的に考え、進めていきたいと考えています。

丹野:あの土地は、面積が約3,234平米、路線価格でみますと、平米あたり44,500円ですので、おおよそ1億4,000万円前後ですね。まあ、実勢価格だと約2億円ぐらいになるのでしょうか・・私は、取得するにしろ、定期借地権で借りるにしろ、投資するに値する土地であると思います。
 (具体的な活用について)これから検討するということですが、「歴史資料館」的な活用をプランの一つに加えてほしいと考えています。
 
私は、前にも一般質問で取り上げさせていただきましたが、名取市は文化財の宝庫と言われながら、これまで歴史資料館の建設が長年の課題とされてきました。毎年、教育委員会で企画展を開催していますが、多くの資料はほとんどが展示の機会もなく、倉庫のなかで眠ったままです。
 また、文化財係の担当の方は、大変な仕事をしているのに元のカネリョウ倉庫の一角で汗を流しています。当然、その姿は見えないのであります。
そういった中で、多くの市民は歴史文化財の宝庫というまちの魅力を実感できないでいるというのが実態です。いうまでもなく、歴史的資料は公開されてこそ価値があります。財政的な理由でこれまで歴史資料館に手をつけられずにいたというのであれば、次善の策を積極的に考えていくべきです。

市長からは、文化会館という絶好のロケーションがあるという話がでましたが、文化会館は年間15万人以上、資料では平成21年度は156,402人が利用しています。当然、それらの利用者を呼び込むことが可能ではないかと考えられます。それらについて、市長はどう考えますか。

市長:いま歴史資料館的な利用ということで、ご提案をいただきました。これも魅力的な提案のひとつであろうと思います。市としても、これまでいろいろなニーズがありながら実現できていないことがありますので、そういったものを整理し、どんな活用の方法があるのか、どうあるべきなのか。取得なり定期借地権についてもどのような条件が提示されるのか。それらを併せて総合的に検討していきたいと考えています。

丹野:これから積極的検討されるということでありますので、アイディアのひとつとして検討いただきたいと思います。
 
さて、最近は、名取市議会を訪れてくださる議会が増えています。一つは、議会として懸命に議会改革にとり組んでいるという側面があろうと思いますが、もうひとつの側面として、市長もブログで取り上げていますが、住みよさランキングで東北1位になったということが大きいと思います。
 しかし、一方で東北1位というランキングの結果を実感として感じている市民がどれほどいるのかと思うのであります。
 なぜなら、今回のランクアップの大きな要因は、「アクセス鉄道」であり、「新市街地」であり、「大型ショッピングセンター」など外からの要因であるがゆえに実感できないのではないでしょうか。
そういった意味では、名取市は内からの要因、恵まれた自然と歴史的風土といったものを全国に発信できる魅力があるわけですので、そういった取組み、市民も実感できる内からの取組みをすべきだ思っている訳であります。
 
また、市長は、第5次長期総合計画で、戦略的取組みとしてシティセールスを掲げています。そして、そのなかで「浪漫歴史街道プロジェクト」を柱として位置付け取組もうとしている訳であります。そういった意味では、そのベースとなる拠点は必要であり、十分検討に値するのではないかということを申し上げておきたいと思います。




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